交通安全コラム

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第323回 地上最高速の争い(157)記録ラッシュ―クレイグ・ブリードラブのリベンジ(1)

前回は、ウォルトの弟アートのグリーン・モンスターとその挑戦の経過をお伝えした。
今回は、アートの成功と、続いて登場するクレイグ・ブリードラブのクルマを紹介する。

◆新記録達成
アートの10月5日のボンネビルでの記録挑戦の走行では、往路は、時速396.3マイルにとどまり、記録には及ばなかった。そこで、復路では、クルマが計測区間に入る前にバーナーを点火し、区間中もそのまま点火を続けた。その結果、記録は驚異的な時速479マイルに達し、平均時速434.02マイルで新記録を樹立した(図)。兄チームの記録は72時間で塗り替えられた。

スライド1

◆スピリット・オブ・アメリカの再登場
次に登場するクレイグ・ブリードラブのスピリット・オブ・アメリカは、基本的には時速407.45マイルを記録した1963年と同じだが、完全な点検整備とコントロール性と流線形改善の少改修を済ませていた。古いJ47を再整備されたものと交換した。海面高度で5240ポンドの推力を出す例外的に優れたものだ。より高いガス温度とより高い回転数で古いものより推力が500ポンドは上回った。

◆ドラグシュートの強化
前年は、ドラッグシュートはロングビーチのジャック・カーター製の8フィート径の円形だったが、1964年用は、それを非常用にして、常用をクロスフォーム型に変えた。両者の引綱は28800ポンドの抗張力のある長さ80フィートである。タイヤはグッドイヤー製の前年と同じ設計の新品である。

◆14か月前の手順
ブリードラブは10月11日から準備走行と徹夜の整備を続け、着々と速度を上げ、13日火曜日には最初の記録挑戦の走行準備が整った。彼は、新記録を達成した14か月前と同じ手順で、コックピットによじ登り、ヘルメットとベルトを締め、キャノピーが閉じられるのをチェックした。

◆限られた加速距離
より出力の大きなアルフォンズ兄弟のクルマと違い、非力なスピリット・オブ・アメリカは、使用可能な10マイル強のコースのほぼ全長を使う必要があった。計測区間は5マイルと6マイルの間なので、北向き走行では加速に使える距離は5マイルあるが、南向き走行では4マイル強になる。これは、加速距離が2~3マイルで済むアルフォンズのクルマに比べて大きなハンデであった。

今回は、アートの成功と、続いて登場するクレイグ・ブリードラブのクルマを紹介した。
次回は、ブリードラブの記録更新と往路での時速500マイル突破の経過を報告する。

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