研究助成プログラム

助成研究者インタビュー・自己紹介

研究テーマ「無信号横断歩道手前に設置する法定外路面標示による速度抑制効果」

はじめに,自己紹介をさせていただきます.私は,1990年3月に京都大学大学院工学研究科土木工学専攻修士課程を修了し,同年4月に京都大学工学部助手に採用されました. 1995年3月に京都大学博士(工学)を授与され,同年4月に大阪大学工学部に異動し,現在に至っております.

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京都大学工学部で助手として採用された当初は,地区交通計画に関する研究を行っておりましたが,学位論文のテーマを「高速道路休憩施設の評価・整備関する研究」と定めた後は,その骨格となる調査・研究を行いました.この学位論文の概要は,
①高速道路を自ら運転し,ほぼ全ての休憩施設を実査した
②当時重要視されていなかったバリアフリーの観点を取り入れ施設を評価した
③施設内の歩行者,自動車と施設配置の関係をマイクロシミュレーションした
④施設改善方針を検討・提案すると同時に,その妥当性を検証した
となっており,この経験が後の研究の展開に繋がりました.

大阪大学に異動した1995年4月は阪神・淡路大震災の直後であり,所属学会の活動と連携し,震災後の道路交通状況の分析,仮設住宅の交通環境の実態把握とその改善に関する研究に従事しました.同時に,学位論文で行ったバリアフリーの観点を取り入れた施設評価を発展させ,交通困難者を考慮した交通施策の評価に関する研究を行いました.

その後,高速道路のほぼ全ての区間を自ら走行した経験を活かし,高速道路の走行性に関する評価手法を検討しました.まず,重要な交通問題である渋滞をテーマとして,交通統計・実査データから渋滞要因を究明する研究を実施しました.同時に,渋滞を軽減する施設改良に関する研究も実施しました.後者の研究を遂行する上で,運転者の走行挙動再現性が高いドライビング・シミュレータを開発するとともに,その運用に関する研究を行いました.
ここで,高速道路の走行性を向上させる上で,ネットワークの進展・複雑化に伴う標識・情報板の見直しが必要であること,ITS技術の適用評価が必要であることに着目し,高速道路における情報提供に関する研究を実施しました.

一方,高速道路の走行性を確保する上で維持管理作業は必要不可欠ですが,集中工事をはじめとする車線規制が渋滞を引き起こし,それが原因となって事故が多発するというジレンマがあります.この問題に着目し,高速道路の工事規制区間における交通の円滑化と安全性に関する研究を実施しました.これら一連の研究は,中日本高速道路株式会社の交通専門主幹を,博士後期課程学生として受け入れて実施し,その研究成果は国内外に広く発信されています.

上述した,高速道路の工事規制区間における交通の円滑化と安全性に関する研究の中で,高速道路における交通安全対策,および対策立案の根拠となる交通事故発生メカニズムに関する研究が十分でないと認識し,この問題解決に関する研究に着手しました.これらの研究成果に基づき,交通事故増加が著しい高齢ドライバーの運転挙動分析を実施しました.

現在は,上記研究課題を継続するとともに,社会問題となっている高速道路での逆走発生過程の分析,自動運転車両が混在する交通流の安全性・円滑性評価,車線区画線や路面の状態が自動運転機能に及ぼす影響の把握も行っています.このような,交通事故発生メカニズムに関する研究や情報提供に関する研究の蓄積が,今回の研究テーマに繋がったと考えています.

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